Had Better
中学校で習う表現ですね
しかし、Shouldと同じ、「~するべき」などの訳で覚えさせられることも結構多いうえ
脅迫的な意味があるとか目上の人には言わない方が良いとかそんなこと言われつつも、
実際の用例では結構フランクな雰囲気だったり、目上の人に使っていることもあったり、
いまいちニュアンスがわからないこともしばしば
一体Had Betterとは何なんでしょう。
ちょっと色々見てみましょう
Had betterってどう訳すべき?
三つの例文を用意しました
①You'd better decide soon.It sold out last time.
②You'd better see a doctor.
③I'd better be going.
④You had better do what I say.
それぞれ何となく話者の状況がつかめるでしょうか?
①You'd better decide soon.It sold out last time.
①は「~べき」で訳すと、
「早く決めるべき。それは前回は売り切れだった。」
ですね。
これだけだと、shouldとあまり変わらないじゃん、違いが判らん! って感じですね。
でもhad betterが使われるときには、「しないとまずいことになる」「したほうが絶対良い」という緊迫感が常にあります。
今回の場合、「それ(it)」が売り切れると大変な感じ。とっても好きなゲームや、ミュージシャンのライブチケットとかかもしれません。
だから、これを踏まえて訳した一例として
「早く決めないと大変だよ、それ前回は売り切れにだったんだから!」
②You'd better see a doctor.
②は、「~べき」で訳すと「医者に診てもらうべき」ですね
とりあえず医者に行った方が良いのはわかります。
例えば、ここでhad betterの代わりにshouldを使っていた場合、
ちょっとした健康のためにお勧めされているのかもしれないし、とりあえず医者いった方が良いとおもう、と言われているのかもしれません。
shouldという表現だけでは、そんなに緊迫感は特に感じないでしょう。ひょっとしたら、心の内で強く心配されている可能性はあるかもしれませんが、あまり表には出してなさそうです。
でもhad betterを使っている場合、緊迫感があることがわかります。すごい心配されています。
例えば、Youは頭から血を出していかにも大変な状態かもしれませんし、階段から転げ落ちて動けなくなっているのかもしれません
熱を出しているにもかかわらず通勤通学して、ふらふらしてる様子が目につくのかもしれません。
これも①と同じように、緊迫感を踏まえた訳例を示すと
「医者に診てもらわないと大変だよ」
こんな感じでしょう
③I'd better be going.
主語が一人称に変わりました
べきで訳すと、「僕は行くべきなんだ」
うーんなんかよくわかりませんね。とりあえずどこかへ行った方が良いのはわかります。
ここで、この場合に合う表現として、「僕はいかなきゃ」がよさそうです。
「いかなきゃ」、という表現には、行かなきゃいけない理由があることが前提ですね(建前であっても)
had betterも同じですね。さっきまでの例文同様「しないとまずいことになる」理由があります
今回の場合、もし例文のように話した後で理由を聞かれたら、
「彼女が待ってて遅れると怒られるんだ」、
「門限に遅れると親がカンカンになるんだ」、
「会社に遅れたら周りから白い目で見られる」、
とかそんなことを言いそうです
また、これとほぼ同様の表現として
I need to goとか
I have to go
等がありますね
have toやneed toは「しないといけない」「する必要がある」などと訳されますが、
しないとまずいことになるのかもしれないというのが伝わってくる文章です
shouldと比べると、言いたいことはhad betterに近いと思います
Had better って脅し?目上の人に使えないの?
④You had better do what I say.
感じがつかめてきたでしょうか?
④つ目の例文の雰囲気はわかりますか?
今度は最初から、「しないとまずいことになる」で訳すと
「私の言うことをしないとまずいことになる」
ですね。
何かまずいことをして悪い人から脅されているのかもしれないし、
ドラッグやサラ金でやばいことになりそうな親しい人への善意の忠告かもしれませんし、
たけしの家庭の医学的なあれかもしれませんし、
喪黒福造的な忠告かもしれません笑
ドーン!!!
Had betterが上から目線だとか、脅しだとか言われるのは
④などのように、何故まずいことになるのかがあまり明確でないタイミングで使われるときのニュアンス、が原因でしょう。
例えば、日本語でも「まずいことになるよ」と意味もわからず突然言われたら、脅されているように感じるでしょう。
これと同じことだと思います
それをわかって使っていたら、had betterを目上の人に使うタイミングもわかるのではないでしょうか
まとめ
had betterとは、強いお勧めや非常時、忠告をしたいときに使う表現ですが、
常に「しないとまずいことになる」「したほうが絶対良いよ!」というニュアンスがあります
それを理解して使うタイミングを選べば、自分の気持ちが伝えやすくなるかもしれません